雪道でのスタックや突然のトラブル時、「けん引ロープって、どこに掛ければいいの?」と迷った経験はありませんか。
けん引ロープは、掛ける場所を間違えると非常に危険です。
掛けてはいけないところに掛けてしまい、車を壊したり、思わぬ事故につながるケースも。
本記事では、実際の写真を使いながら、初心者でも迷わず再現できるけん引ロープの正しい掛け方をシンプルに解説します。
「万が一のときに、正しく安全に対応したい」そんな方は、ぜひ最後まで確認してください。
Garage Red Line(ガレージレッドライン)では費用感のご相談だけでも承っております。
豊富な知識と経験をもとに専門スタッフがお客様に最適なプランをご提案。
どんなことでも構いませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。
監修者
(株)STAY GOLD:Garage Red Line 代表 久保田 将平

Garage Red Line創業者。幼少期から車に親しみ、板金・カスタムの現場で技術を磨く。
2018年に独立し、現在は自社で多様なカスタム・整備に対応。TRY-XやXCT-Dualをはじめとしたレース・クロカン優勝経験を活かし、実践的な知識で監修を担当。
現在もドライバーとして活動している。
久保田 将平
この記事を書いた人
記事ディレクター/ライター/フォトグラファー・清水

カメラの専門学校で撮影技術と作品制作を学んだのち、車業回で勤務しながらアウトドア撮影を中心に活動。
現在はGarage Red Line Styleをはじめとしたさまざまな媒体で執筆。
初心者にも伝わる構成づくり・検索意図設計・文章作成を活かし、企画・構成・執筆・改善まで一貫して担当している。
清水

けん引ロープを掛ける前に知っておくべき基本

けん引は「緊急時のみ」が原則
結論から言うと、けん引は応急対応です。
長距離移動や高速走行を前提にしていません。
理由は以下。
- ブレーキ性能が落ちる
- ハンドル操作が遅れる
- ロープ切断時のリスクが高い
スタック・バッテリー上がり・短距離移動に限定しましょう。
【写真解説①】フロントのけん引フックの正しい使い方


この写真では、フロントバンパーのカバーを外し、純正のねじ込み式けん引フックを装着しています。
- けん引フックは手で回した後に車載工具で最後まで回し切る
- 斜めに入れない
- 半分しか入っていない状態はNG
→ ここが甘いと、引っ張った瞬間に外れます。
【写真解説②】けん引ロープをフックに掛ける方法(OK例)

この写真は、ロープの金具をフックに正しく掛けた状態です。
- 力がフレーム方向に一直線でかかる
- 金具がねじれない
- ロープがバンパーに干渉しない
初心者は「とりあえず引けそうな場所」に掛けがちですが、この状態以外は基本NGと考えてください。


オフロード車両に関してはけん引フックを掛ける場所が比較的わかりやすいケースが多いです。
2枚目の画像のように、リーフスプリングシャックルにかけてもOKです。
【写真解説③】車体下のループ状フック


この写真は、車体下に元から溶接されているループ形状のけん引ポイント です。
特徴として、以下の点が挙げられます。
- 一見ただの金属パーツに見える
- 車種によって位置が違う
- フロント・リア共にねじ込み式のけん引フックの場合は、ループ状のけん引フックが無い場合がある
尚、ループ状フックの場所は取扱説明書で必ず位置を確認してください。
【写真解説④】絶対にやってはいけないNGな掛け方

この写真は一例ですが、以下の箇所にロープを掛けるのは完全にNGです。
- 足回り
- アーム類
- マフラー付近
理由は以下。
- 想定方向の力がかからない
- 曲がる/折れる
- 修理費が高額になる
初心者が一番やりがちな失敗なので、「金属=OK」ではないと覚えてください。
けん引ロープに関しては以下の記事でも解説しています。
本記事と合わせてご覧ください。

けん引ロープを使うときの注意点

けん引時には、ロープの途中に布を取り付けましょう。
ロープ途中に設置する布には、2つの役割があります。
1つ目の役割は周囲への安全周知です。
特に昼間はロープ自体が細く、背景に溶け込みやすいため、布には視認性を高める役割があります。
布は、ロープの中央付近に垂れ下がるように取り付けるのが基本です。
大きさや形状に厳密な指定はありませんが、遠目からでも確認できることが重要になります。
また、夜間の場合は、灯火類の点灯やハザードランプの使用も欠かせません。
2つ目の役割は緩衝材です。
けん引時は、フックのかかりが甘いかったり、フック自体の取り付けに問題があると外れてしまい危険性があります。
ロープにはテンションがかかっているため、フックが外れると、外れていない側に向け勢いよく飛んでしまいます。
その際に中央に設置した布が緩衝材となり、万が一車両に接触してもダメージを軽減してくれるのです。
形式的なルールではなく、実際の危険を防ぐためのものとして理解しておきましょう。
急発進・急加速はしない
けん引中は、通常走行と同じ感覚で運転してはいけません。
急な操作はすべて危険です。
特に注意したいのは以下。
- 急発進
- 急ブレーキ
- 急なハンドル操作
後続車はエンジンが停止している場合もあり、ブレーキの効きが悪くなります。
前車は常に「後ろは止まりにくい」前提で運転してください。
初心者が選ぶべきけん引ロープの条件
結論から言うと、初心者は以下を満たすけん引ロープを選ぶべきです。
- 耐荷重:車両重量の2倍以上
- フック or シャックル付き
- 視認性の高い色
- 白布が付属 or 付けられる
安さだけで選ぶと、「いざというときにあまり使えない」ケースが非常に多いです。
次項でおすすめのけん引ロープを紹介していきます。
車種別おすすめけん引ロープ
軽自動車・小型車におすすめのけん引ロープ
のびるのびるけん引ロープ GR-112
初心者でも扱いやすい伸縮タイプの定番モデル。
ヤックの「のびるのびるけん引ロープ GR-112」は、軽自動車やコンパクトカー向けに設計された2t対応の伸縮タイプです。
発進時や負荷がかかった瞬間の衝撃を吸収しやすく、けん引操作に慣れていない初心者でも扱いやすいのが特徴。
国内カー用品ブランドとしての流通実績があり、日本語表記や使用説明が分かりやすい点も安心材料といえます。
車載しやすいコンパクトな収納形状で、「万が一」に備えて積んでおく用途に適しています。
こんな人におすすめ
- 軽自動車・コンパクトカーに乗っている人
- 初めてけん引ロープを用意する人
- できるだけ扱いやすいモデルを選びたい人
| 商品名 | のびるのびるけん引ロープ GR-112 |
|---|---|
| メーカー | YAC |
| 耐荷重 | 約2t |
| 破断張力 | 2.3tまで |
| 安全張力 | 2.0tまで |
| タイプ | 伸縮タイプ |
| 収縮時サイズ | 約2m |
| 伸張時サイズ | 約4m |
| 対象車両総重量 | 1.5t未満 |
| その他 | 白旗付き |
大自工業 Meltec のびのびけん引ロープ 2t RP‑20
国内ブランドMeltecが提供する、定番の伸縮式けん引ロープ。
大自工業(Meltec)の「のびのびけん引ロープ RP-20」は、軽〜小型車の応急けん引に過不足のない性能を備えています。
伸縮タイプのため、発進時にロープへ一気に力がかかるのを抑えやすく、初めてけん引ロープを使う場面でも操作の余裕を作りやすいのが特徴。
また、製品表記が分かりやすく「2tクラス対応」と明示されているため、自分の車で使って問題ないかを判断しやすい点も初心者向きといえます。
万が一に備えて車に積んでおく用途として、「必要な条件は満たしているが、過剰すぎない」現実的な選択肢です。
こんな人におすすめ
- 軽自動車・コンパクトカーに乗っている人
- 初めてけん引ロープを用意する人
- 日常の備えとして確実な性能が欲しい人
| 商品名 | のびのびけん引ロープ2t RP-20 |
|---|---|
| メーカー | 大自工業(Meltec) |
| 耐荷重 | 総重量2t |
| 破断張力 | 約3.3t |
| 安全張力 | 記載なし |
| タイプ | 伸縮タイプ |
| 収縮時サイズ | 約2m |
| 伸張時サイズ | 約4m |
| 対象車両総重量 | 総重量2t |
| その他 | 白旗付き |
中型車におすすめのけん引ロープ
大自工業 Meltec のびのびけん引ロープ 3.3t RP-3T
中型車で「余裕を持って選びたい人」におすすめの定番モデル。
Meltecの「のびのびけん引ロープ 3.3t RP-3t」は、3.3tクラス対応の伸縮タイプ。
発進時に一気に力がかかる状況でも、ロープが伸びて衝撃を吸収しやすく、「引っ張った瞬間にガツンとくる」感覚を抑えやすい設計です。
中型車は乗員や荷物を積んだ状態でのトラブルが多く、車両総重量が想定以上になるケースも珍しくありません。
その点、「のびのびけん引ロープ 3.3t RP-3t」は中型車で余裕を持たせたい人向けの現実的な選択肢といえます。
「使う頻度は低いが、使うときは失敗したくない」
そんな中型車ユーザーが、安心できる1本です。
こんな人におすすめ
- 発進時のショックをできるだけ抑えたい人
- 国内メーカー製で確実なものを選びたい人
- いざという時の備えにけん引ロープの購入を考えている人
| 商品名 | のびのびけん引ロープ 3.3t RP-3T |
|---|---|
| メーカー | 大自工業(Meltec) |
| 耐荷重 | 総重量2t |
| 破断張力 | 約3.3t |
| 安全張力 | 記載なし |
| タイプ | 伸縮タイプ |
| 収縮時サイズ | 約2m |
| 伸張時サイズ | 約4m |
| 対象車両総重量 | 総重量2t |
| その他 | 白旗付き |
ミニバン・SUVにおすすめのけん引ロープ
大自工業 Meltec のびのびけん引ロープ 6.3t RP-6T
ミニバン・SUVで「足りない不安」を残さない高強度モデル。
ミニバン・SUVクラスで怖いのは、「動かせるかどうか」よりも、引き始めの一瞬でロープに想定以上の力が乗ることです。
車体が重いぶん、発進時のショックや路面抵抗が増え、スペックに余裕がないロープだと不安が残ります。
Meltecの「のびのびけん引ロープ 6.3t RP-6T」は、破断張力 約6.3t、使用可能車両総重量 3tと、ミニバン・SUVの現実的な車重を前提に選べます。
また、伸縮タイプなので、発進時の「ガツン」とした衝撃を和らげやすく、初心者でも操作の余裕を作りやすいのがメリットです。
緊急時の備えとして安心できる1本といえます。
こんな人におすすめ
- ミニバン・SUVに乗っている人
- 伸縮タイプでショックを減らしたい人
- 国内メーカーで選びたい人
| 商品名 | のびのびけん引ロープ 6.3t RP-6T |
|---|---|
| メーカー | 大自工業(Meltec) |
| 耐荷重 | 総重量3t |
| 破断張力 | 約6.3t |
| 安全張力 | 記載なし |
| タイプ | 伸縮タイプ |
| 収縮時サイズ | 約2m |
| 伸張時サイズ | 約4m |
| 対象車両総重量 | 総重量3t |
| その他 | 白旗付き |
オフロード車両におすすめのけん引ロープ
橋研 SOFT CAR ROPE H SERIES
金属フックを使わない、ソフトシャックル一体型けん引ロープ。
橋研の「SOFT CAR ROPE H SERIES」は、そうした不安を前提に設計されたソフトシャックル一体型のけん引ロープです。
金属フックを使わず、ロープ自体で結束する構造のため、取り付け位置を誤っても車体を傷つけにくく、けん引ポイントへの負担を抑えやすいのが大きな特徴です。
また、伸縮性のある構造により、発進時や路面抵抗が大きい場面でも衝撃を段階的に吸収し、「いきなり強い力がかかる」状況を避けやすくなっています。
雪道やスタック時など、車が急に動き出す場面でも操作の余裕を作りやすい設計です。
「強度は必要だが、車を壊すリスクはできるだけ下げたい」
そんな考えでけん引ロープを選びたい人にとって、H SERIESは安心感を優先した現実的な選択肢といえるでしょう。
こんな人におすすめ
- オフロード走行を楽しむ人
- 大型の車両をけん引する可能性がある人
- 傾斜の激しいロケーションでの使用を想定している人
| 商品名 | SOFT CAR ROPE H SERIES |
|---|---|
| メーカー | 橋研 |
| 耐荷重 | 16tまで |
| 破断張力 | 20t |
| 安全張力 | 記載なし |
| タイプ | 伸縮タイプ |
| 収縮時サイズ | 約2.1m |
| 伸張時サイズ | 約5m |
| 対象車両総重量 | 総重量16t |
| その他 | 白旗付き |
けん引ロープの使用が難しい場合は「Garage Red Line・公的・保険サービス」に連絡しよう

ここまで紹介した方法を試しても車が動かない場合、それ以上の無理は、車両トラブルや二次事故につながる恐れがあります。
そんなときは、専門のロードサービスに連絡する判断が、結果的に最も安全で確実です。
Garage Red Line(ガレージレッドライン)に連絡する

オフロード走行や雪道での実走経験を積んだスタッフが、スタック状況を見極めたうえで、車を壊さない脱出・牽引方法を判断し、対応します。
無理な引き出しや力任せの牽引は、バンパーや足回り、駆動系に大きな負担をかけます。
「どこに力をかけるべきか」「今は動かさないべきか」を判断できることが、安全な復旧に直結。
雪国の現場を知るプロが、状況に合わせた最善の対応を現地で行います。
JAF(日本自動車連盟)に連絡する【#8139】
JAF会員であれば、スタック(雪道での立ち往生)にも対応してもらえます。
- 全国共通ダイヤル:#8139
- スマートフォン・携帯電話から発信可能
- 会員であれば、一定範囲の救援作業は無料
非会員でも利用は可能ですが、その場合は作業内容に応じて料金が発生します。
位置情報を正確に伝えるため、周囲の目印や道路名を確認してから電話するとスムーズです。
任意保険に付帯する「ロードサービス」を利用する
多くの自動車保険には、JAFとは別に無料のロードサービスが付帯しています。
- 雪道でのスタック救援
- けん引・引き出し作業
- 現場での簡易対応
上記のような内容が含まれている場合も多く、保険会社へ直接連絡するだけで対応してもらえるのがメリットです。
契約内容によって対応範囲や回数制限が異なるため、普段から「自分の保険で何が使えるか」を把握しておくと、いざという時に慌てずに済みます。
よくある質問(Q&A)
- Q1. けん引ロープはどこに掛けてもいいのですか?
-
いいえ。必ず車両に設計された「けん引ポイント」にのみ掛けてください。
バンパー、足回り、アーム類、マフラー周辺などに掛けると、破損や事故の原因になります。
取扱説明書に記載されている位置を確認するのが確実です。 - Q2. フロントとリア、どちらにけん引ロープを掛けるのが正解ですか?
-
基本は、引っ張る側の車の後方、引っ張られる側の車の前方 に掛けます。
前後どちらにもけん引ポイントがある車種もありますが、
走行方向に対して無理な力がかからない位置を選ぶことが重要です。 - Q3. 白い布は本当に必要ですか?
-
はい、必要です。
道路交通法により、ロープの中央に白い布(30cm四方以上)を付ける必要 があります。
視認性を高め、後続車との事故を防ぐためのルールです。 - Q4. どのくらいの速度で走ればいいですか?
-
明確な数値は状況によりますが、できるだけ低速で慎重に 走行します。
急発進・急ブレーキは避け、ロープが常に張った状態を保つことが重要です。 - Q5. けん引中にエンジンがかからない車は運転できますか?
-
ハンドル操作やブレーキ操作は可能ですが、
パワーステアリングやブレーキアシストが効かない場合 があります。
通常より強い力が必要になるため、十分注意してください。
まとめ
けん引ロープを使ううえで最も重要なのは、正しい場所に、正しい方法で掛けることです。
見た目だけで判断し、バンパーや足回りに掛けると、車両破損や事故につながります。
本記事で押さえておきたいポイントは次のとおりです。
- けん引ロープは必ず純正のけん引ポイントに掛ける
- フロント・リアともに、取扱説明書で位置を確認する
- ロープは常に張った状態を保ち、急な操作をしない
- 白い布の取り付けなど、ルールと安全対策を省略しない
- 車両重量に合った余裕のある耐荷重のロープを選ぶ
写真を見ながら正しい掛け方を再現できれば、初心者でも落ち着いて対応できます。
万が一に備えて、信頼できるけん引ロープを事前に用意しておくことが、結果的に安全につながります。
ただし、けん引はあくまで応急対応です。
少しでも不安がある場合は、無理をせずロードサービスを利用する判断も大切といえます。
Garage Red Line(ガレージレッドライン)では費用感のご相談だけでも承っております。
豊富な知識と経験をもとに専門スタッフがお客様に最適なプランをご提案。
どんなことでも構いませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。

