
ノックスドールには700、750、300、900、UM-1600がありますが、これらは同じ用途の製品を性能順に並べたものではありません。
番数によって担当する場所と役割が異なり、車1台の防錆施工では複数の製品を組み合わせて使います。
大まかに分けると、700と750はドアやサイドシル、フレーム内部などの「隙間へ浸透させる防錆剤」。300・900・UM-1600は、下回りの面を覆う「アンダーコート」です。
この記事では、メーカーの施工マニュアルをもとに、番数ごとの用途と組み合わせを整理します。
すでにノックスドールが施工されていて、部分補修用を探している方も参考にしてください。
Garage Red Line(ガレージレッドライン)では費用感のご相談だけでも承っております。
豊富な知識と経験をもとに専門スタッフがお客様に最適なプランをご提案可能です。
どんなことでも構いませんので、まずはお気軽にお問い合わせください。
監修者
(株)STAY GOLD:Garage Red Line 代表 久保田 将平

Garage Red Line創業者。幼少期から車に親しみ、板金・カスタムの現場で技術を磨く。
2018年に独立し、現在は自社で多様なカスタム・整備に対応。TRY-XやXCT-Dualをはじめとしたレース・クロカン優勝経験を活かし、実践的な知識で監修を担当。
現在もドライバーとして活動している。
久保田 将平
この記事を書いた人
Garage RedLine Style 編集部

Garage RedLine Style 編集部は、4WD・旧車・カスタムカーを中心に、車両整備やパーツ、イベント、北海道ならではのカーライフ情報を発信する編集チームです。
実際の整備現場やイベント運営の視点をもとに、読者が安心して車を楽しめる情報をお届けします。
Garage RedLine Style 編集部
ノックスドールの番数は、施工する場所と役割で分かれている
- ドア内部・サイドシル・フレームの隙間:700または750
- 下回りやホイールハウスの表面:300または900
- 石はね対策を重視した厚膜の施工:UM-1600(施工設備のある方向け)
- すでに施工済みの車の補修:施工履歴と同じ系統を選ぶ
ノックスドールメーカーの創新は、無溶剤の700と300、低溶剤の750と900・UM-1600をそれぞれ組み合わせるよう案内しています。
| 製品 | 役割 | 主な施工場所 | 系統 | 500mlエアゾール |
|---|---|---|---|---|
| 700 | 浸透性防錆剤 | 中空部・隙間 | 無溶剤 | あり |
| 750 | 浸透性防錆剤 | 中空部・隙間 | 低溶剤 | あり |
| 300 | アンダーコート | 下回り・ホイールハウス | 無溶剤 | あり |
| 900 | アンダーコート | 下回り・ホイールハウス | 低溶剤 | あり |
| UM-1600 | 厚膜アンダーコート | 下回り・ホイールハウス | 低溶剤 | なし |
700・750・300・900・UM-1600の違い
ノックスドール700|隙間へ深く入り込む無溶剤タイプ
700は、ドア内部やサイドシル、パネルの合わせ目、スポット溶接部などへ浸透させる防錆剤です。
下回り全体を黒く塗る製品ではありません。
メーカー公表の浸透性は80mm。
半透明で低粘度のため、手が届きにくい隙間へ入り込みやすく、撥水性のある軟らかな被膜を作ります。
500mlのエアゾールには、細い箇所へ差し込みやすいノズル付きの商品も流通しています。
下回りの面に300を使う予定なら、隙間側は同じ無溶剤系の700が基本です。
ドア内部へ吹く場合は、注入しすぎて水抜き穴を塞がないよう注意しましょう。
700が向く場面
ドアやサイドシルの内部、フレームの合わせ目など、表面から刷毛で塗れない隙間の防錆。
300と組み合わせたい場合。
ノックスドール750|900・UM-1600と組み合わせる低溶剤タイプ
750も、役割は中空部やパネルの隙間を守ること。
700との大きな違いは、ホワイトスピリットを含む低溶剤タイプである点です。
メーカーは、アンダーコートに900またはUM-1600を使う場合、その前に750を中空部や合わせ目へ塗布する手順を推奨しています。
700より公表浸透性は低いものの、推奨膜厚は40〜80µm。
低溶剤系の施工システムへ合わせるための溶剤と捉えると分かりやすいでしょう。
750が向く場面
900またはUM-1600を使う施工で、中空部やパネルの合わせ目も同じ低溶剤系で防錆したいとき。
ノックスドール300|無溶剤の軟らかなアンダーコート
300は、アンダーフロアやホイールハウスの表面を覆う無溶剤のアンダーコートです。
黒と半透明(カラーレス)があり、仕上がりの色も選べます。
乾いて硬い塗膜になるというより、軟質のワックス被膜を保つのが特徴。
エアゾールの推奨膜厚は100〜300µmで、700と同じ無溶剤系として組み合わせます。
黒く塗りつぶしたくない箇所にはカラーレスが候補です。
仕上がりを気にする車両では、小さな範囲から確認してから進めましょう。
300が向く場面
無溶剤系で下回りを守りたい場合。700と組み合わせる施工や、施工済み箇所の同系統での補修。
ノックスドール900|黒い半硬質被膜を作る低溶剤タイプ
900は、ビチューメンをベースにした黒色のアンダーコートです。
アンダーフロアやホイールハウスへ使い、半硬質の防錆被膜を形成します。
500mlエアゾールが用意され、エアゾール使用時の推奨膜厚は100〜300µm。
下回りの部分補修用として入手しやすい製品です。
隙間側まで施工するなら、同じ低溶剤系の750と組み合わせます。
900は「700より強い製品」ではなく、そもそも担当する場所が違います。
700は隙間へ浸透させ、900は下回りの面を覆う役割と認識しておきましょう。
900が向く場面
下回りを黒い被膜で仕上げたい場合。750と組み合わせる施工や、900施工済み箇所の部分補修。
UM-1600|石はね対策も考えた厚膜タイプ
UM-1600は、ファイバー入りの厚膜アンダーコートです。
推奨膜厚は500〜1500µmと、300や900より厚く、泥はねや石はねからの保護も想定されています。
容量は1Lと20Lで、500mlエアゾールはありません。
粘度の高い材料を均一に吹き、塗ってはいけない場所を避けながら膜厚を管理する必要があるため、商品だけ買って気軽に施工するタイプではないでしょう。
無溶剤系と低溶剤系は、組み合わせを揃える
ノックスドールは、隙間へ浸透する製品と、面を覆うアンダーコートを組み合わせて施工します。
組み合わせは次の通り。
700 → 300 / 301
750 → 900 / UM-1600
異なる溶剤タイプを組み合わせると、本来の性能を発揮しない可能性があると、メーカーの「アンダー隙間部・中空部の施工マニュアル」に書かれています。
新しく施工するなら最初から系統を揃え、すでに施工済みなら、何が塗られているかを確認してから補修材を買いましょう。
中古車で施工履歴が分からない場合、黒い被膜を見ただけで300・900・別メーカー品を判別するのは困難です。
販売店の記録や前オーナーの明細が残っていなければ、施工店への確認が必要です。
エアゾールでDIYできる範囲と、専門店へ任せたい作業
700・750・300・900には500mlエアゾールがあり、個人でも購入できます。
ただし、缶が買えるからといって安全に作業ができるわけではありません。
DIYなら施工場所が見える小範囲の補修から
比較的取り組みやすいのは、施工履歴が分かっている車の部分補修や、説明書どおりにアクセスできる中空部への局所的な施工です。
それでも、汚れや浮いた錆を残したまま上から吹けばよいわけではありません。
- 施工済み製品と同じ系統か確認する
- 洗浄後は水分を残さず、必要な下処理を行う
- 周囲へ飛散しないよう十分に養生する
- SDSと商品ラベルを読み、適切な保護具と換気を用意する
- 推奨膜厚と乾燥条件を守る
ブレーキやセンサーへ付着すると危険
メーカーの「塗布禁止箇所」では、次の場所がマスキング対象に挙げられています。
| 避ける箇所 | 主な理由 |
|---|---|
| ブレーキ系統 | 制動能力を損なうおそれ |
| 各種センサー・照射部 | 未反応や誤作動のおそれ |
| マフラー・エンジンなど | 加熱や放熱を妨げるおそれ |
| ドライブシャフト・プロペラシャフト | 回転時に支持部へ負荷をかけるおそれ |
| サスペンションのロッド・シール | シールを傷めるおそれ |
| EV・HVの高電圧部 | 安全確認や整備を妨げるおそれ |
車種によってセンサーや高電圧部品の位置は違います。
アンダーカバーやタイヤを外さなければ見えない場所も多く、地面に寝た状態で吹くと塗り残しと誤付着が起きやすくなるでしょう。
下回り全面の施工、既存被膜の種類が分からない車、錆が広がっている車は、先に現車確認を受けるのがおすすめです。
塗料を選ぶ前の錆落としやマスキングで、仕上がりは大きく変わります。
ガレージレッドラインでは、札幌周辺の下回り防錆や錆修理についてLINEで相談を受け付けています。
車種・年式と、気になる箇所の写真を送ってください。
ノックスドールのよくある質問(Q&A)

- 700と750は、どのように使い分けますか?
-
どちらも中空部・隙間を担当します。700は無溶剤の300/301、750は低溶剤の900/UM-1600と組み合わせる製品です。単品の優劣ではなく、表面側に施工するアンダーコートと系統を揃えます。
- 300と900は何が違いますか?
-
300は無溶剤のワックスベースで軟質の被膜、900は低溶剤のビチューメンベースで半硬質の黒い被膜を形成します。どちらも下回り用ですが、隙間側は300なら700、900なら750を組み合わせます。
- ノックスドールは錆の上から吹いても大丈夫ですか?
-
メーカーは700・750・300・900・UM-1600を「サビの上:可」と案内しています。ただし、浮いた錆や泥を残したまま吹けばよいという意味ではありません。腐食の深さによっては錆落としや板金修理が先になります。
- 車1台にエアゾールは何本必要ですか?
-
車体の大きさ、施工範囲、既存被膜、必要膜厚で変わるため、一律に「何本」とは決められません。全面施工を本数の推測だけで始めると、途中で材料不足になり膜厚が不均一になりやすいため、エアゾールは施工場所が明確な小範囲の補修に向いています。
- シャシーブラックとノックスドールは同じですか?
-
同じではありません。一般的なシャシーブラックは着色と簡易的な防錆を兼ねる薄膜塗料として扱われることが多く、ノックスドールには中空部へ浸透させる製品や厚膜のアンダーコートまで複数の系統があります。目的と施工方法を確認して選びましょう。
まとめ|番数ごとの用途と組み合わせを確認しよう

ノックスドールは、番数ごとに担当する場所と役割が決まっています。
施工時の組み合わせを、もう一度まとめます。
- 700:無溶剤。中空部や隙間へ使い、300/301と組み合わせる
- 750:低溶剤。中空部や隙間へ使い、900/UM-1600と組み合わせる
- 300:無溶剤。下回りを軟質の被膜で覆う
- 900:低溶剤。下回りを黒い半硬質被膜で覆う
- UM-1600:低溶剤。石はね対策も考えた厚膜施工向け
施工済みの車を補修するなら、まず既存被膜の製品名を確認してください。
これから全面施工する場合は、塗料の知名度だけでなく、洗浄・錆処理・マスキング・施工後の点検まで含めて依頼先を選ぶことが大切です。
下回り防錆塗料そのものの比較や、塩害ガードとの違いは、車の下回り防錆塗装のおすすめは?耐久性・塗料の違いをプロが徹底解説で詳しく紹介しています。
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Garage Red Line(ガレージレッドライン)では費用感のご相談だけでも承っております。
豊富な知識と経験をもとに専門スタッフがお客様に最適なプランをご提案可能です。
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